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「業務をシステムに合わせる」時代の終焉。AIがもたらす特化型システムへの回帰と、エンジニアの再定義

ジュリ

2026/5/1

オピニオン春秋を知る

2026年現在、生成AIの進化はとどまることを知りません。
少し前まで「AIは便利なチャットボット」という認識でしたが、今やそのフェーズは完全に終わり、AIは「システムを自ら創り出す」レベルに到達しています。
この技術的ブレイクスルーは、単なる業務効率化ではありません。企業の「経営構造」や「システム開発の主役」、そして私たち「エンジニアの存在意義」そのものを根底から変えるパラダイムシフトです。

汎用SaaSの縮小と、経営を圧迫する「無駄な固定費」

これまで、IT化の最適解は「SaaS(既成システム)の導入」でした。自社開発は高すぎるため、「SaaSの仕様に自社の業務フローを合わせる」ことが常識とされてきました。

しかし経営的な観点から見れば、これは投資効率が非常に悪い状態です。
自社独自の強みであるはずの業務フローやバックオフィスの効率化を汎用SaaSに委ね、使わない機能にまで毎月数万〜数十万円の「無駄な固定費」を払い続ける。これは長期的には会社の財政を圧迫し、本来投資すべき成長分野への資金を奪います。いずれ、多くの企業にとって「汎用SaaSからの脱却」が不可欠になるでしょう。

もちろん、生き残るSaaSもあります。私は以下の3種類に集約されると考えています。

これら以外の「最大公約数に向けたSaaS」は、今後より一層早いスピードで縮小していくでしょう。

特化型・最適化システムへの回帰

汎用SaaS導入が無駄な固定費になりかねない時代において、汎用SaaSから脱却した企業が行き着く先は、自社の現場・組織・個人に極限まで最適化された「特化型システム」の構築です。投資対効果を最大化するためには、自分たちの手に馴染む「最強の道具」を内製化することが今後のビジネスにおける必須条件となるでしょう。

システム開発の主役は「非エンジニア」になる

では、この新しい時代において、最高の特化型システムを創り出せるのは誰か? それは外部のエンジニアではなく、現場の痛み、業務の泥臭いフロー、そして顧客の要望を一番深く理解している「非エンジニア(現場の担当者)」です。

AI(Vibe Codingなど)の進化により、コードが書けなくても、自然言語で「こういう画面で、こういう計算をするツールが欲しい」と指示を出せば、動くシステムが即座に立ち上がる時代になりました。彼ら自身がAIという「優秀な部下」を指揮し、自分の業務を楽にするためのツールを直接構築する。これこそが、要件定義のズレや伝言ゲームが一切発生しない、最も強力で最速なシステム開発の形です。

ただし「最適化システム」を作るのは極めて難しい

しかし、「誰でも簡単にシステムが作れる」と手放しで喜べるほど、現実は甘くありません。特化型・最適化システムを内製化するのは、従来の開発以上に高いハードルが存在します。

最大の障壁は、企業側・組織側の「業務理解」と「抽象化能力」です。 自社の業界知識や業務フローを深く整理し、それをシステムに落とし込むための「抽象化」ができなければ、現場の手に馴染まない使えないツールが出来上がるだけです。

さらに、システムは作って終わりではありません。システムは将来的に価値を生む投資商品です。
特化型システムを運用していく過程で、システム自体を「育てて」いかなければなりません。AIがAIを管理・アップデートする時代になっても、そのAI群を「監視・管理する人間」が必ず必要になります。システム部門やIT部門を持たない企業が、無計画にAI開発を進めることは、長期的には致命的なリスクを抱えることと同義です。現時点でエンジニア職は採用しなくとも、将来への投資としてIT部門は設け、内製化できる体制と仕組みは準備するべきでしょう。

エンジニアという職種の「再定義」

システムが自律的に動く時代、エンジニアの役割もまた再定義されると見ています。 単なる「作業者」としてのエンジニアにもはや未来はないというのは、皆さんもお気づきでしょう。これからのエンジニアに最低限必要なのは、以下の3つのスキルだと思います。

一見すると、これは現在のシニアエンジニアやマネジメント層にいる人間を指しているように思われるかもしれません。しかし、再定義後のエンジニアは、もっと広範囲にわたるビジネスのドメイン知識や経験が必要になると私は見ています。将来のビジネスシーンでAIがその中心に座る以上、AIと一番深くコミュニケーションが取れるエンジニアは、単なる技術屋の枠を超え、より多くの経営的・現場的な課題解決を要求されるようになるでしょう。

【採用の基準はどう変わるか】

この変化に伴い、企業がエンジニアを「採用」する基準も根底から変わると見ています。問われるのは、「現場の泥臭い課題を理解できるか」「複雑な事象を抽象化し、AIを指揮できるか」です。

実際、春秋のメンバーに国家・地方公務員、アパレル、福祉介護など、まったく別の業界から転職してきた人間が多いのは偶然ではありません。彼らは元ユーザーとして「現場の痛み」を知っており、それを解決するための「抽象化能力」の素養を持っていたからです。

AI時代の採用は、純粋なITスキルよりも、この「ビジネス解像度とAIマネジメントのポテンシャル」を見極める採用軸に変わっていくのだと思います。極端な話、転職回数が多くて様々な業界・職種を経験している人が強みを持つ時代になるかもしれません。

なぜ、プロのエンジニア(春秋)が必要なのか

「それなら、AIと自社メンバーだけで完結するのでは?」と思うかもしれません。 しかし、現実はそう甘くありません。非エンジニアがAIでシステムを創る過程には、必ず「ラストワンマイルの壁」が立ちはだかります。原因不明のエラー、セキュリティの不安、そして何より前述した「業務の抽象化」と「継続的な運用管理」の壁です。

「原因不明のエラーが出て画面が真っ白になった」
「データベースの設計を間違えて、後から修正がきかなくなった」
「機密情報を扱うのに、セキュリティの担保はどうすればいいのか」

この「ラストワンマイルの壁」を越えられず、結局システムを放棄してしまう企業が後を絶ちません。だからこそ、私たち合同会社春秋の出番なのです。

私たち合同会社春秋は、システムを丸投げで受注する単なる業者ではありません。 御社のチームがAIと共にシステムを作り上げる過程に伴走し、技術的な防波堤となると同時に、御社の業務をシステム化するための「抽象化の思考プロセス」を惜しみなくインストールします。

システムは「作ってもらう」時代から、プロの伴走を受けながら「自分たちで創り、育てる」時代へ。
御社の組織がテクノロジーを武器として自走する未来まで、春秋が泥臭く伴走します。